命の歌

ねえ いつか もし僕が
歌をつくる日が来たら どんなのがいいかな
たいして 歌にしたいこともないな
ならば僕や君の命を 歌ってみようかな

東京私鉄沿線終電
運ばれていったのは死刑囚か

あの改札を抜けて全部なかったことに
なんて今更情けないな

いつでも辞められる音楽か
いつでもやめられる人生か
出会うことすらできないまま
彼らは死んでいったのか
最後に少女はなんて言った
最後のコードはなんだっけな
落書きにすらなれなかった
あのちっぽけな命の歌

「わたしにしかできないことなんてこの世界にどうせこれっぽっちだって無いわ」
「だから私が生きる価値なんてどこにもないのよ」
うつむくあの子に僕は何も 何も言えなかった

無責任な音楽が街を包み込み
僕らが鳴らすギターの音は雑踏に紛れて
9%のぬるくて安いアルコールで
胃酸ごと吐き出してしまう始末さ

「生きていく」ただそれだけの事
誰が価値なんかつけたんだ
僕ら生きてて何が悪いんだ
僕ら生きてて何が悪いんだ
いつでも辞められる音楽や

いつでも辞められる人生が
僕や君の叫びとなって
誰かのもとに届きますように

落書きにすらなれなかった あのちっぽけな命の歌

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